ひまじん(Himajin)

by John | 👍 7 いいね

想像してごらん、予定が何もないことを。 カレンダーは真っ白、ただの紙切れ。 時計の針は止まり、ベルも鳴らない。 やるべきことは、何ひとつないんだ。

想像してごらん、朝から晩までパジャマ姿。 「生産性」なんて言葉は、辞書から消えちまった。 空はただ青く、雲はただ流れる。 それを見つめるだけで、一日は終わる。

きみは言うかもしれない、 「あいつはただの『ひまじん』だ」って。 でも、僕だけじゃないはずさ。 世界中のみんなが、ただの「ひまじん」になれたなら。 争う理由さえ、面倒くさくて忘れてしまうだろう。

想像してごらん、国境なんてない。 だって、そこまで歩いていくのがだるいから。 宗教も、主義も、難しい理屈もない。 ただ、隣のやつと「暇だね」と笑い合うだけ。

想像してごらん、所有するものなんて何もない。 重い荷物を持つのは、ひまじんの美学に反する。 強欲も飢えも、どこかへ消えていく。 だってみんな、奪い合うよりも昼寝をしたいんだ。

きみは笑うかもしれない、 「そんなのただの怠け者だ」って。 でも、忙しさが世界を壊してきたんじゃないか? もしみんなが、コーヒーの一杯を淹れる時間に 一生を捧げるくらいの「ひまじん」になれたなら。 世界は、ようやく静かになれるんだ。

想像してごらん、 何も成し遂げないことの素晴らしさを。 歴史に名を残さず、SNSに何も投稿せず、 ただそこに存在しているだけの自分を。

想像してごらん、 僕らがただの「ひまじん」として、 今日という日を、溶かしていく姿を。


   ◇  ◇  ◇


ジョン・レノンの解説(風エッセイ)
やあ。僕だよ。

みんな、僕が『Imagine』で「天国なんてない」とか「国境なんてない」とか歌ったのを、ずいぶん真面目に受け取ってくれたみたいだね。もちろん、あれは本気だった。でも、今の世界を見ていると、みんなちょっと「忙しすぎる」んじゃないかな。

平和を求めるためにデモをして、プラカードを掲げて、大声で叫ぶ。それもいい。でも、もっと究極の平和があることに気づいたんだ。それが「ひまじん」さ。

1. 「何もしない」という革命

みんな、何者かになろうとしすぎている。偉大なリーダー、成功したビジネスマン、完璧な親。でもね、何者でもない「ひまじん」でいることには、とてつもない勇気がいるんだ。社会は「時間を有効に使え」と急かしてくるけれど、僕はあえて言いたい。「時間は、無駄にするためにあるんだよ」って。

ベッドの中でヨーコと一週間過ごしたとき、世界中の記者が僕らに聞いた。「何をしているんだ?」って。僕らは答えた。「何もしないことをしているんだ」とね。それが一番の平和活動(ベッド・イン)だったんだ。

2. 争いの原因は「忙しさ」にある

人は暇すぎると、たまに余計なことを考えるけれど、本当に「ひまじん」を極めた人は、誰かを攻撃したりしない。だって、誰かを憎むのにはエネルギーがいるし、戦争をするには綿密なスケジュール管理が必要だ。

もし、独裁者が「あー、今日は天気がいいから、宣戦布告するのやめて昼寝しよう」って思ったら? もし、兵士たちが「引き金を引くのが面倒くさいな、このまま草の上でゴロゴロしていよう」って思ったら? それが、僕の言う「ひまじん」による世界平和なんだ。

3. 所有からの解放

「ひまじん」は、たくさんのものを持たない。管理するのが大変だからね。 広い屋敷、速い車、たくさんの宝石。それらを手に入れるために、みんなあくせく働いて、心をすり減らしている。でも、本当に必要なのは、座り心地のいい椅子と、窓から見える景色、それから大好きな人の手だけだ。

4. きみへの提案

きみがもし、このポエムを読んで「自分はなんて無価値な時間を過ごしているんだろう」と不安になったなら、おめでとう。きみは立派な「ひまじん」の素質がある。

時計を外して、スマホを裏返して、ただ呼吸をしてみて。 何かを生み出そうとしなくていい。 世界を変えようとしなくていい。 ただ、そこにいて、退屈を愛してごらん。

僕が歌った「Imagine」の理想郷は、実はすぐそこにあるんだ。 忙しい世界の手を離して、僕と一緒に「ひまじん」になろう。

愛を込めて。 John

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